[旅]第64回 正眼夏期講座に参加してきました(2018年7月) その4(2日目後編)

美濃加茂市の正眼寺さんの付属教育機関、正眼短大の夏期講座(1泊2日)に参加してきました。

坐禅が終わり、次は音楽鑑賞です。
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フルート、クラリネット、ピアノの三重奏でした。フルートは三屋 風(ふう)さん、クラリネットが前川 明音さん、ピアノが花田 佳奈さんでした。お三方とも、普段は福井を中心に活動しているようです。
演目はクラシックや動揺、歌謡曲のアレンジなど、若さがあふれる演奏でした。どれも素敵な演奏でしたが、個人的には、ニューシネマパラダイスのメドレーとアンコールで演奏なさった、エディット・ピアフの愛の賛歌が特に良かったです。

心地よい音色の次は斎座。お昼ご飯です。
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前日に続いて、本日もお弁当です。で、やはり食事の前には、全員で五観文を唱和。
献立は、野菜天ぷら、じゃが芋の煮物、梅干し、沢庵、ちらし寿司、お茶(ペットボトル)でした。
どれもしみじみ美味しく、ほっとするお味です。

食事が済んだら、午後の部スタート。13時からは、白洲信哉先生による講演「美を求める心」でした。
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講演は画像も使い眼と耳の両方で楽しめるものでした。上の画像は、東大寺本堂の日の丸盆を用いた展覧会の時の様子で、根来という塗りのお盆を並べたものだそうです。

白洲先生曰く「美に対する心眼を鍛えるには、何も考えず、数をこなす(量を見る)こと。イヤホンガイドは、お勧めじゃないです。展覧会は、まず会場をぐるっと一周して、感じるものがあった作品に戻り、ずっと見る」だそうです。余裕のある方の言葉はノーブルですね…。
実際、先生からびしびし発せられる「おぼんぼん感」が凄かったです。ナチュラルに育ちが良いとああいう感じなのかしら。自分の周りにはいないタイプなので新鮮でした(笑)

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二月堂が火災に遭った際、焼け出された華厳経の写経
江戸(天平)時代、藍地に銀文字で書かれたものだそうです。

様々な興味深いお話を聞くことができましたが、特に印象深かったことは、日本では人が使ってこなれできたものを「古色」と呼び珍重するけれど、中国や韓国では、シミや欠けが少しでもついてしまうと、価値が半減したと考えるそう。「これが文化の違いなんでしょうね」とおっしゃっていました。その他、正倉院のことなどもお話くださって、今年は秋の正倉院展に行こう、と思いました。(毎年思っているけれど、実現できていないので)

1時間の予定を少しオーバーして、1時間15分くらいお話し下さった後、質疑応答。私は美術に疎いので、どんな風に楽しもうが、愛でようが、作品や作者に敬意を持って接すれば構わないのではないのかと思っているのですが、夏期講座参加者のなかには、芸術や古美術に明るい方もいらして、先生に活発に疑問を呈していました。いろんな考え方があるんだなと、小さな発見があり面白かったです。

14時45分、山川老師による閉講式の挨拶。15分程度のお話でしたが、ちゃんと「始めしんみり、中おかしく、終い尊く」で、和尚様ってすごいなと最後の最後まで感動しきりでした。

それでは、お次はみんな大好きお金の話、旅の出納(今回の出費は参加費と飲食代だけなので、表にしていません)と持って行った荷物です。
こちらから☆


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